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コラム
「Hong Kong Night Sight」
2005.11.23
 
 
 衆議院の解散、総選挙をはさみ、足掛け11ヶ月のロングラン国会を終えて、香港、シンセン、広州へと駆け足で視察に回った。商社に20年以上勤め、香港との取引も日常行っていたにもかかわらず、なぜか一度も出張の機会がなかった。香港には30年以上前に一度行っただけなので、殆ど初めてと言ってよい。この時期に華南の発展を実際に見ておきたかった。香港特別区行政府の若きリーダーたちの自信に満ち溢れた言葉を聞き、返還後の発展のパワーの源を知らされたような思いがした。
  しかしながら、「Planning and Infrastructure Exhibition Gallery」に於いて、さながら未来都市のような再開発計画モデルを見ていると、かつて東洋の真珠と呼ばれていた頃の、異国情緒溢れる喧騒の町はいよいよ姿を消そうとしているかのようだ。一国二制度のもと、華南経済圏の窓口として、またアジアのハブとして更なる発展を目指す香港の姿を、いつの間にか、自分が以前しばらく暮らしていたベトナムの商都ホーチミンシティと比較していた。先進国化という点で比べるべくもないが、1970年代にアメリカが敗退を余儀なくされた国に未だに感じられるような、アジア独特の底知れぬ生命力を香港は実は今失いつつあるのではないだろうか。珠江デルタの要として後背地を束ねての一大貿易基地としての構想と、その後訪問したシンセンや広州の発展戦略のずれが顕著になってきたとき、香港の底力が試される。
  頻繁に訪れるビジネスマンとは違い、今回限られた時間の中で、香港のほんの一端しかかじっていないのかもしれないが、東洋にありながら西洋の庇護を受けていた小都市が、今や中国のもとで一層の西洋化を進めている姿をみて、驚嘆と同時にどこかセンチメンタルな気持ちになり、20年前に聴いた曲を懐かしく思い出した。”ジャンクの群れに吸い込まれてゆくようだった空港”も既に移転し、再開発を待っている。

◇広報本部広報局次長 参議院議員 岸  信夫(山口県)◇  

 

 
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