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東アジアは、世界の成長センターとして目覚しい経済発展を遂げる一方で、依然様々な不安定要因が存在する。なかでも、13億もの人口を抱え、10年以上も高度成長を持続させている中国は、近年その積極的な外交により存在感を増している。我が国を始め東アジア諸国との経済関係の緊密化を背景に、東アジア諸国には依存関係が生まれている。大国として台頭しつつある中国が今後も国内の様々な矛盾を克服して、経済・社会の安定を確保できるかどうかは、同国のみならず、我が国を含む東アジアにとっても重要な関心事項である。
経済成長の影で深刻化している資源エネルギー・食料・環境など、様々な課題の解決なくして、中国の持続的な成長と政治的安定はあり得ない。中国が自国内の諸問題の解決の為に覇権主義的な動きを強めることは、東アジアの緊張を高めることに繋がり、北京オリンピック、上海万博以降の経済に対する国際社会の不安を払拭することは出来ず、特に東アジアの安定にとって様々な悪影響が出るであろう。我が国と中国はただ競争関係にあるのではなく、互いに利害を共有する関係である。中国の安定成長が我が国や広く東アジアにも利益をもたらすよう、必要な分野での協力について日中間で対話を進めるべきである。
我が国はWTO体制の最終合意を目指しつつも、一方でFTA,EPAの意義を認識し、これ等の推進を通じて東アジアにおける経済連携体制の構築にイニシアチブをとってゆかなければならない。さらに、途上国の安定した経済発展のために質の高いODAを活用して民間活力を喚起してゆくことも必要である。
東アジアの安定と発展には、冷戦時代の残滓によるところの緊張に加えてテロや鳥インフルエンザ、シーレーンにおける海賊行為など、新たな脅威に対処することが不可避である。この地域に安定を構築する上で、日米同盟及びそれに基づく米軍のプレゼンスのもつ意義と役割は極めて大きい。我が国は日米同盟関係をさらに強化・発展させ、東アジアと米国との橋渡し役として、安全保障調整能力を発揮すべきである。日米間の強固な信頼関係をベースに、東アジアにおける経済連携体制の構築にリーダーシップを発揮してゆくことが我が国が進めるべき重要な外交課題であり、東アジアが米国やEUとならぶ新たな極へと発展するための鍵となる。
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